防衛省の天皇と女帝
防衛装備品調達を巡る守屋武昌・前防衛次官(63)の汚職事件で、収賄容疑の共犯として逮捕された妻の幸子容疑者(56)が、防衛省幹部の妻たち でつくる親睦(しんぼく)団体「美鳩(みはと)会」のメンバーらとともに東京都内の高級クラブやフランス料理店などで飲食した際、防衛専門商社「山田洋 行」側に代金の付け回しをしていたことが、関係者の話で分かった。
ゴルフ接待以外でも、贈賄容疑で逮捕された同社元専務の宮崎元伸被告(69)と癒着していた実態が浮き彫りになった。
山田洋行の関係者によると、幸子容疑者は美鳩会の親しいメンバー数人と、東京・赤坂の高級クラブで飲食やカラオケに興じたり、フランス料理のレス トランで会食をしたりすることが多かった。こうした店では、店員に、山田洋行の「付け払い」だと話し、代金を支払わずに帰っていた。代金は、後から宮崎被 告らが管理していた山田洋行の裏金からも、捻出(ねんしゅつ)されたという。
幸子容疑者は長年、同会で中心的な役割を果たし、年1回の総会や防衛省の局長級幹部の退職時に開かれる送別会などで、「仕切るのが上手」と評判 だった。一方で、他のメンバーに対し、「あなたは段取りが下手。役に立たない」などとなじることもあり、「(幸子容疑者の)きつい言い方に耐えられず、退 会した人もいたようだ」と話す同省OBもいる。
また、幸子容疑者は、買い物の途中などに一人でふらりと東京・六本木にある山田洋行本社に立ち寄り、応接室で宮崎被告と談笑することもあったという。
同社関係者は、「夫と付き合いがある会社とはいえ、妻一人で訪れるなど、常識では考えられない。それだけ親密だったのだろうが、妻だけでもゴルフや飲食の接待を受けるなんて、夫婦そろってのたかり体質で、異常さを感じた」と話す。
幸子容疑者は、守屋容疑者と夫婦で宮崎被告からゴルフ接待を受け、「松本明子」の偽名でプレーしていたほか、ゴルフセットや高額なバッグを贈られ ていたことが判明している。東京地検特捜部では、ゴルフ旅行による接待費約389万円をわいろと認定し、守屋容疑者とともに幸子容疑者を「身分なき共犯」 として逮捕したが、ほかにも多額の接待や付け回しがあったとみて、宮崎被告との癒着の全容解明を目指す。
(2007年11月29日14時40分 読売新聞)



